MSの診断
MRIとMS
MRI検査はMSを理解する上で、大変重要な手段です。MSの診断のみならず、MSの病態の解明や、MSに対する治療の効果を評価するのに役立ちます。
MS病態の解明

MSで行われるMRI検査では種々のMRI画像が得られます。T1強調画像、造影T1強調画像、T2強調画像、FLAIR画像、プロトン密度強調画像、拡散強調画像などがあります。それぞれの画像から患者さんのMSの性質について相補的な情報が得られます。

造影T1強調像では増強していない画像では確認できなかった病変が写し出されます。造影剤が分布している部分が明るい領域として現れます。これはMSの活動性病変です。非活動性病変は暗いままです。T1強調画像ではしばしばガドリニウム造影剤が使用されます。造影剤は検査時に静脈から注入され、活動性の炎症領域を描出します。


MRI検査では、MSの疾患過程に関する情報を得ることができます。 脳や脊髄内での病変は、その位置によって生じる症状が異なります。たとえば脊髄内の病変では、脳からの神経伝達が妨害されるため、手足のしびれが起こったり膀胱障害が起こったりします。視神経の病変では視神経炎を起こすことが多く、視神経の正常な機能が損なわれるため、かすみ目や色覚喪失をきたします。しかしながら、MSの特徴の1つとしてMRI検査で確認されても臨床的な症状を起こさない、沈黙の病変も数多く存在します。また、臨床的な症状があってもMRI検査では確認されない病巣も存在します。




MRIによる治療の影響の評価
MRI検査は非侵襲的な検査です。そのため定期的に繰り返し検査することができ、その人のMSの経過をみることができます。最近ではMSの標準的な診断の手段として広く用いられています。
参考文献
  • Fazekas et al. Neurology 1999;53:1448-456.