家族と友達
ご家族にどのように伝えますか?
ご家族に伝えることは、MS(多発性硬化症)と診断を受けたあとに最初にすることの1つでしょう。MSと上手く付き合うためには、最も重要なことの1つです。その後、必要な身体的・精神的なサポートを受けることができます。

このページでは、MSであることを子供やご両親にどう伝えるかについてのアドバイスと、ご家族が受ける影響についてご説明します。
正直に話しましょう

家族の一員がMS(多発性硬化症)と診断されたということは、ご家族全員に何かしらの影響を与えます。ご家族が影響を受ける程度は、生じる障害の程度に左右されます。患者さんにとっては、疾患の経過への不安とは別に、ご家族が病気の経過に対応ができるか、サポートすることができるのかという不安が加わります。

ほとんどのMS患者さんは、ご家族の助けが必要になるかもしれないという不安を持っています。そのため患者さんは症状を隠し、自分自身の体力を過剰に評価することがあります。そのため患者さんは日常生活の中で失敗することがあり、自己への失望感を抱くようになります。またご家族は、援助の申し出が拒否されたという感覚を抱くようになります。そしてご家族は患者さんにどのように援助すればよいのかわからなくなり、患者さんは十分な援助を受けることができない状態となります。


また一方でご家族がMS患者さんに対し、サポートを必要とはしていないときでも援助をしすぎて、介護者に対して依存性が高まることもあります。したがって、患者さんが必要な助けの種類と程度に関してご家族と正直に話すことが何よりも大切です。どの程度の援助をご家族が行うことができ、どのような種類の援助を患者さんが実際に必要とし、受け入れることができるかを一緒に話し合うようにしましょう。

ご家族の負担を軽減するために、ご家族以外に援助を頼むことができる人を考慮に入れておきましょう。MS患者さんとご家族がそれぞれご自身の人生を、余暇や趣味を含めて、楽しむことができるようにすることが大切です。

MS患者さんには、休息と活動のバランスが重要です。睡眠を十分にとり、疲労は避けなければなりません。これはたとえばご家族にとっても、患者さんと一緒に行動するのは午前中に変更する、夜更かしを避ける、短い休憩を計画に入れる、共通の作業は疲れさせないよう何回かに分けて行うということになります。
専門家のサポート
専門家のサポートが必要な場合、ファミリーカウンセリングすなわち家族療法(ご家族が一緒ににセラピストに会う)が利用できます。このサポートを受ける方法については、主治医に相談しましょう。状況においては、個別の診察やパートナーへのセラピーが得策となることがあります。ご両親と介護者へのグループコースも行われることがあります。ときには身近な人や身内を介護から解放することもとても大切です。

MS患者さんやご家族は、MS患者さんにいくつかの役割があるということを悟ることが大切です。MS患者さんは「外見上は健康でまったく障害がない」状態から「急性期」の状態、さらには「慢性疾患で多様な症状がある」の状態まで、あらゆる状態になり得ます。

このような状態は、MSについて事前に率直な話し合いができたかが大切になります。当然のことですが、ご家族に非常に小さな子供がいるときには話し合いができるとは限りません。とはいえ、子供は何かがおかしくなったときに鋭敏な感覚を持っています。そのような状態についてあわてふためき、なぜ父親や母親がいつものように遊んでくれないか理解できません。たとえば、父親/母親がきちんと歩けなくなったということを理解すると、子供は不安になります。親が死ぬのではないか、急に1人で残されることになるのではと恐れています。ときには、病気に対して責任を感じ、起こったことに罪の意識を感じることすらあります。このような理由のため、病気について子供と率直に話すことが絶対に必要です。どの程度詳しい情報にするかは子供の年齢と成熟度によって異なります。

確かに、MSにはご家族にとって多くの困難が伴うという可能性があります。しかし一方で、良い関係にあるご家族にとっては、MSの重荷を分かち合い、より密接に、強く関わるようになるチャンスにもなります。
幼い子供に話す

非常に幼い子供にMS(多発性硬化症)に関して詳しく説明しても理解はできません。子供の質問に対してはそれに応じて分かりやすく答えることが重要です。
直感的に、子供は親に何かが起こっていることや悩んでいることに気づいています。患者さんはこのことを知っておく必要があります。なぜなら子供の行動は不安から乱ることがあるからです。子供の不安よりも真実が恐ろしいことはほとんどありません。多くのMSの患者会が子供用の小冊子を準備しており、役立つかもしれません。

比較的大きな子供に話す
比較的大きな子供と青年期にある子供にはMS(多発性硬化症)について知らせる必要がありますが、より慎重なアプローチが必要になります。外面的には平静で、無関心にさえ見えることがありますが、ほとんどの場合は非常に心配しています。このような不安には情報が助けになります。子供との関係で問題が起こったときには、話し合いたいと思っていることを伝えるようにします。MSの患者会から得られる情報を読むことが役立つかも知れません。

青年期の子供は大人として扱われるべきだと感じており、ご家族の問題において責任ある役割を与えられなければ傷つくと同時にショックを感じることがあります。結果的に、破壊的な行動をするかもしれません。しかし協力を促されたならば、驚くほど頼りになり、力の源となり得ます。問題を知らせずにおこうとしても子供が不安を感じないわけではありません。
ご両親に話す
診断をご両親に告げることも難しいかもしれません。子供の診断を受けいれることは親にとって非常に難しく、とても敏感になります。特に母親はきわめて保護的になります。ほとんどのご両親はご自身の責任ではないかと感じるでしょう。